第4回批評祭開催にあたって

相田九龍

2010年1月の9日から13日にかけて、現代詩フォーラムにて第4回批評祭を開催します。

個々の詩サイトは閉鎖的だという論があります。その根拠はそれぞれの詩サイトが限られた利用者による、限られた利用者のための場所であるからというものです。閉鎖的な場所では議論が閉塞し、それが争いの火種になることがあります。また、インターネット全体を指して閉鎖的だという論もあります。

その論に依れば、現代詩フォーラムも例外でなく閉鎖的です。実際に過去につまらない争いごとが多々ありました。そのためここ数年ぽっちで、多数の良い書き手が現代詩フォーラムから離れていきました。皮肉にもその結果人間関係のゴタゴタが、無くなることはないにしろとても減りました。

しかし書き手が離れることによって、残念なことに有効な批評は減り有効な合評や意見交換も減りました。私はその状況に強い危機感を感じました。このまま詩の現場で詩が語られない状況が続くと、有望な書き手が早々に詩自体から離れ続けることに繋がるのではないでしょうか。そしてその現象は現代詩フォーラムに限らず多くの詩サイトで起こっているように思います。

その現状を鑑み、このたび第4回となる批評祭の開催を決めました。今思うと、私が開催した第2回、第3回の批評祭も同じような理由だった気がします。





批評祭は2007年4月発行「詩と思想」に掲載された光富郁也さんの「インターネット時評」の中で、現代詩フォーラム上の代表的な企画として取り上げられました。

しかし私は、批評祭を現代詩フォーラム内だけのイベントにしては勿体無いと思っています。現代詩フォーラムは管理人である片野晃司さんの尽力により利便性が追及されており、言論及びサイト上のモラルを理解し、利用に慣れさえすれば多数の方が隔たり無く集うことの出来るサイトです。

その利便性をお借りして、この企画がサイト間の垣根を一時的に取り払い、現代詩フォーラムだけではなく、すべての詩サイトが抱える閉鎖性を打破するきっかけになれば良いと思っています。そうしてネット内の詩環境全体に警鐘を鳴らすことが出来れば、それぞれの詩サイト、それぞれの詩人の発展の繋がると思います。


私は現代詩フォーラムにただ詩人が集えばいいとは考えていません。冒頭で述べたように、人間関係がネット詩に与えるダメージは計り知れないものがあるということを見て来ました。

現代詩フォーラムを拠点とされる方の中では考えを異にされる方がいると思いますが、場所の高度な利便性を考えれば現代詩フォーラムはネットを利用する多くの詩人にとっての有効な交差点として機能するべきであると思っています。そして、個々の詩人がそれぞれが居心地の良い居場所、利用拠点を持ち、その中で現代詩フォーラムを居場所とする方が居るという形がいいと思っています。

批評祭には、普段現代詩フォーラムを利用されていない他にネット上の拠点を持つ方も是非訪れていただきたいです。また、現代詩フォーラムにいるが批評に触れたことがないという方、一度は現代詩フォーラムから離れたり、最近遠ざかっている方にも参加していただきたいと思っています。厚みのある文章を書ける書き手が集いさえすれば、それが一時的な集いであれ十分に有効な意見交換が可能だと思います。

批評祭がネットを利用する、より多くの詩人さんのためになることを強く願っています。



文学極道や以前の批評祭の投稿においても、ネットと紙という媒体間の対立について語られましたが、それは過去のこととなったそうです。ネット詩はこれからどこへ向かうのでしょうか。

ネット詩が刻々と変化していくことは前述の光富さんの「インターネット時評」の中でも述べられていましたが、こういう風に変化することが一番正しい、という答えは恐らくどこにもありません。今まで申し上げたことも私なりに考えたひとつの展望です。

でも私は密かにワクワクしています。どんな未来が来るかは分かりませんが、現在、現代詩フォーラム管理人である片野さんを始め、文学極道の発起人方や他の詩サイトの管理人さん、それぞれの詩サイトを支える利用者さん、多くの方が無償で詩環境向上のために努力されています。その労力は恐らく私たちの想像を遥かに超えます。

その未来が暗くあってはいけない、そうなるはずはない、そう思っています。そのために出来ることを、私は探して行こうと思います。



最後になりましたが、祭はやっぱり楽しいものじゃなくてはいけません。私はこうやって小難しいこと言って宣伝しておきながら、本番は一番楽しむようなちゃっかり者です。閉鎖的であっても楽しけりゃいいじゃん、とか思っています。騙されてはいけません。祭は楽しんだ者勝ちです。みなさんにとっても楽しい祭となるよう、あと一ヶ月少し頑張りたいと思います。



 現代に生きるすべての詩人の健康と発展を祈って。


     2009,12,2 相田 九龍